日本でQRコード決済が流行らない3つの理由

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QRコード決済はインバウンド需要狙い

私個人は、QRコード決済は日本で普及するが流行らない、と思っています。というのも、政府が電子マネー(=QRコード)決済を普及させようとしているのは、2019年のラグビー、2020年のオリンピックで起こるインバウンド需要を狙ったものだからです。

そもそも、QRコード決済は約60%が中国で使われています。人口比から考えても、このシェアは圧倒的です。誤解を恐れずに言えば、QRコード決済は中国だけのものと言えます。

 

今はだいぶ落ち着きましたが、かつて「爆買い」というワードを作ったのは中国からのインバウンド需要です。スポーツイベントで、その再来を狙っているのでしょう。

また、世界の消費を支えているのも、いまだ中国なので、世界経済を考えると中国からどうお金を引っ張ってくるかが課題になっています。

 

日本でQRコード決済が流行らない3つの理由

しかし、上記だけでは日本で流行らない理由にはなりません。日本には、日本の理由ではやらない理由があるのです。

(1)圧倒的な現金主義

日本のキャッシュレス化は、約20%だと言われています。この「キャッシュレス化」はクレジットカードやデビットカード電子マネーなどを含めた率です。

政府が40%に引き上げると鼻息を荒くしていますが、現状でQRコード決済の利用率はけっして高くない状況で、QRコード決済だけで利用率を挙げられるとは思えません。

k-tai.watch.impress.co.jp

(2)すでに電子マネーが普及

一方で「Suica」や「nanaco」などの電子マネーが普及しています。「Suica」「Pasmo」などの交通系電子マネーは持っていない人はほとんどいないでしょう。(積極的に使っているかは別として)

日本だけを考えた場合、電子マネーのインフラが整っているので、そちらのほうが普及しやすいはずです。

(3)個人で利用料を払う文化がない

最大の理由は、QRコード決済の場合、個人が利用料を支払う形態だからです。日本においてクレジットカードは個人から利用料を得ることはできません。加盟店から得ています。だから、ユーザーは(年会費を除き)無料でクレジットカードを利用できます。

しかし、QRコード決済は個人が利用料を支払う形式です。そのような文化がない日本で、QRコード決済が根付くとは思いません。

今は無料であったり、ポイント還元で使っている方もいますが、それがなくなったとき、無料文化の日本で、受け入れられるのでしょうか。はなはだ疑問です。